本土復帰前に発行「琉球切手」とは
2022.8.10
2022年は、戦後アメリカ軍の施政権下に置かれた沖縄が本土復帰してから50年の節目の年です。
復帰にまつわる出来事や当時を物語る場所や人々の証言を通じて今の沖縄を見つめ、これからを考えます。
復帰前の沖縄で発行された「琉球切手」とは?
今回は、戦後から復帰の直前まで沖縄でのみ発行された「琉球切手」についてお伝えします。
琉球切手は、戦後1948年から本土復帰の1972年まで、琉球列島米国民政府や、琉球政府によって米統治下の沖縄でのみ発行された切手です。
那覇市国際通りにある三宝堂には、その全て、259種類が保管・販売されています。
(※「三宝堂」は、本土復帰前の1968年に創業し、紙幣やコイン・記念切手などを取り扱っています。
切手には、1958年9月16日に沖縄の通貨がB円(B型軍票)からドルに通貨変更された歴史も反映されています。
時代の移り変わりを物語る「琉球切手」。
切手に描かれているのは、色鮮やかな魚や、各地の伝統行事に芸能など、沖縄ならではの物や風景が描かれています。なぜ、そうしたデザインが採用されたのでしょうか?
「離日」「親米」政策とは?
復帰当時、アメリカは、沖縄の基地を維持することを重視し、その障害となる復帰運動を鎮静化するため、「離日」「親米」政策を進めました。
沖縄は、元々日本とは異なるのだと強調する政策が、「琉球切手」のデザインにも影響したと考えられています。
【動画でみる】世変わりの中で切手に込めたアイデンティティとは?
最後に発行された「琉球切手」
1972年4月、本土復帰で廃止された「琉球切手」。
混乱の中、発行された最後の「琉球切手」には沖縄のおめでたい席で使われる嘉瓶(ゆしびん)が描かれていました。
縦横数センチの世界に沖縄の豊かな表情を映し続けた「琉球切手」。
復帰から50年が経ついま、私たちの足元に何があり、この先にどう繋いでいくのか静かに問いかけます。
【MAP】沖縄県那覇市国際通り 三宝堂
住所:〒900-0013 沖縄県那覇市牧志1丁目1−1 島袋ビル
MAP:リンクはこちらから
沖縄復帰50周年記念 琉球切手展
開催期間:2022年8月16日(火)~8月21日(日)火~日 9:00~18:00
開催場所:沖縄県立博物館・美術館
入場料:無料
主催:日本郵便株式会社 沖縄支社
公式サイト:https://okimu.jp/g4citizen/f2022816t21/
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