RBCiラジオスペシャル 2021年11月13日
11月13日は漆の日!
ということで今回は漆、そして琉球漆器について取り上げました。
漆は高温多湿でなければ固まらないという性質を持っていること、ご存じでしたか?
琉球漆器は沖縄の歴史ある伝統工芸ですが
実は、琉球王朝時代から現在まで漆は輸入しているのです。
てっきり沖縄にある漆の樹を利用しているものだとばかり思っていました。
漆器は高価で特別な物としてのイメージから普段の生活の中での利用は
多くないように思います。
沖縄で育まれてきた琉球漆器。
琉球王府から唐や本土への献上品として大切な役割を経て、
王府解体後は仏具、重箱など庶民の道具へと移行し、
戦後は米軍の土産品などとしても作られるなど、
沖縄の工芸品としてその歴史を重ねてきました。
今回はゲストに創業120年余の角萬漆器6代目 嘉手納豪さんをお迎えしました。
そして、漆に特化した美術館が沖縄にあるのもご存じですか?
浦添市美術館です!
漆器の常設展示もありますし、年に3回企画展も行っています。
琉球時代から現在に至るまでの漆器の歴史もわかる内容となっています。
そして、漆には加飾といって、さまざまな技法があるのですが、
その技法の一部を触りながら学ぶこともできます!
これは嬉しかった~
学芸員の金城聡子さんにご説明いただきながらでしたのでわかりやすかったです。
金城さんも25年お手入れしながら使っている漆器があるとのこと。
漆器でいただくだけでお食事が豪華になるんですよ、とおっしゃっていました。
その価値をも一緒に味わう、素敵ですよね。
現在、浦添市美術館では「レトロ・モダンな南国の華」という企画展を開催中です!
近代の漆器が展示されているのですが、なんともユニークだったり
英字が書かれていたりと見たことのない漆器を見ることができます!
ぜひ足をお運びください!
そして仲田紀久子アナは漆器の体験をしました!
てんぶす2階にあります、那覇市伝統工芸館で体験できます。
漆器の加飾の技法、堆錦(ついきん)は沖縄で確立された技法ですが、
今回はその堆錦を施したコースター、月桃のデザインで作ってみました。
行ってみると現役の職人さんがいらしてびっくり!
今回教えて頂いたのは、伝統工芸士、無形文化財技能保持者、
この道58年のコシマ漆芸工房の後間義雄さん。
優しく優しく教えて頂きました! ありがたい!
那覇市伝統工芸館というと、観光施設のようなイメージがありますが
うちなんちゅこそが行ってみて触れて体験してみるべきだと思います!
そして、那覇市制100年を記念して、
「琉球漆器ピアノ制作プロジェクト」でピアノに琉球漆器の技法でもって
ピアノを制作中です! まさにこの工房で制作中で体験のあと近くで見せていただきました。
那覇市の花、ブーゲンビリアを堆錦で後間さんが手掛けています。
12月には完成お披露目で那覇市のどこかでこのピアノを使い、
クリスマスコンサートを行う予定だそうですよ!
そして、皆さん、ピアノの黒は漆だって知ってました?
漆だから堆錦(漆)が貼れるのです。
ピアノの黒が漆だなんて、目からうろこでした…。
ちなみにピアノが黒いのは日本だけだそうです。
なるほど、漆はアジアの文化でヨーロッパにはないので納得ですね。
琉球漆器、新しい展開もあります!
角萬漆器では琉球漆×ジュエリーをコンセプトにしたブランド、
Nui Munです。ヌイムンとは、塗り物、塗る者という意味です。
漆を使ったジュエリー、鮮やかな色が沖縄の日差しに映えること間違いなしです!
そして、11月末までりうぼう パレットくもじ2階の楽園市場で角萬漆器のポップアップ展が行われています。
興味深い作品がたくさんあります。
ぜひご覧になっていただきたい!
琉球漆器、沖縄の素晴らしい伝統工芸です。
高価なイメージがあるかとは思いますがぜひ親しんでいただきたいです。
最後に、角萬漆器の嘉手納さんは「琉球漆器で心を豊かにしていきたいと思っています。
そして沖縄の文化、歴史を提案したい。つまりうちなんちゅの心に繋がっていくと思います」
とのことでした。
ぜひ、琉球漆器を使ってみませんか?