令和2年度文化庁芸術祭参加作品 OCCプレゼンツ 「朗読劇 火城~琉球国劇「組踊」誕生~」
令和2年度文化庁芸術祭参加作品
OCCプレゼンツ 朗読劇 「火城~琉球国劇「組踊」誕生~」
11月29日(日)午後4時時30分~5時30分
舞台は3度目の首里城焼失直後の琉球王国。
そこから再生をめざす琉球王朝の文化面での取り組み…「組踊」誕生までの道のりを描く、史実を交えた演劇「火城 ~琉球国劇「組踊」誕生~」を、地謡(じかた=演奏者)と立方(歌および舞踊の演技者)による演舞を交えたアナウンサーの朗読劇に演出しました。
原作;与並岳生「火城~琉球国劇「組踊」誕生~」
出演;組踊 (立方) 堀川裕貴 、下地心一郎 (地謡) 町田倫士、組踊(地謡) 波平宇宙
朗読;鎌田宏夢、嘉大雅、仲村美涼、片野達朗、田久保諭
演出;狩俣倫太郎
(内容)
朗読劇「火城」は2019年「組踊」初演から300年の記念の年に発表された戯曲で、「組踊」誕生までの道のりを史実に基づいて描いた作品です。
舞台は3度目の首里城焼失直後の琉球王国。1709年、火の不始末から火災に見舞われた首里城は今回の火災同様、正殿・北殿・南殿が消失しました。さらに、台風や大干ばつ、疫病の蔓延などその後琉球は数々の問題に直面します。
このような国内の課題に立ち向かいつつ、外交において当時の琉球は大国清国朝廷と江戸幕府の狭間で常に生き残りを模索する道をたどります。慶賀・謝恩の江戸のぼりで幕府への義を尽くし、清国からの御冠船を迎え清国との冊封体制を維持し続けます。
武力も資源も持たない小国琉球がその国力を示すため、また生き残りのため選んだ道は「うとぅいむち」つまり「おもてなし」の迎賓文化構築に国策として取り組むということでした。
そして、次の清国からの冊封使を迎える御冠船踊奉行の大役を任されたのが、後に組踊の父として知られる玉城朝薫だったのです。
二度の江戸のぼりで座楽主取といういわば総合演出を成功させた実績が評価されての抜擢でした。
朝薫は江戸のぼりの際には能や歌舞伎、人形浄瑠璃など洗練された江戸や上方の舞台芸術に触れ琉球独自の国劇の着想を得ます。またその間、朝薫は那覇港の浚渫工事の指揮も任され芸能以外の場でも活躍したこともうかがえます。
こうして迎えた1719年6月。清国皇帝が派遣した琉球冊封使一行総勢649人が巨大な御冠船2隻で琉球にやってきました。これまでの冊封で最も多い人数となった一行をもてなすため朝薫が作り上げた琉球国劇「組踊」が披露されることに…。