第549回番組審議会
2022年12月9日(金)
琉球放送の第549回番組審議会が12月9日金曜日、琉球放送11階会議室で開催され、
議題「ウムイつむぐ~着物が語る“やんばる”の戦~」について審議が行われた。
委員の意見は以下の通り。
●美しい着物が沖縄戦をくぐり抜けて残り、善意のリレーで持ち主に返すことができたという2つの奇跡を描いた心温まる物語。大田さんと比嘉さんそれぞれの戦争体験も番組に盛り込んでほしかった。
●奇跡の再会まで時間を惜しまず丁寧に取材してきた制作側の努力がうかがえた。ナレーションにキロロの玉城千春さんを起用したのも効果的。疎開の目的が住民排除だったということの出典を明示してほしかった。
●悲惨な戦争の中、母から娘に引き継がれてきた着物にスポットを当てた「もうひとつの沖縄戦」。SNS全盛時代ながら、持ち主を見つけるのに貢献したのが新聞メディアだったという点に活字の底力を感じた。
●フィクションのような奇跡的なストーリーと、戦争を体験しながらも底抜けに明るい沖縄のおばあのパワーによって、沖縄戦を描いた他の番組とは一線を画すものとなっていた。全国でも放送してほしい。
●ウチナーンチュの心優しさが実感できる物語で、二人が再会するクライマックスは涙なくして見られないほど感動した。奥間集落や読谷村の位置などを地図で示してほしかった。
●体験者の孫やSNSという要素で時代の変化を示しつつ、いつの時代も変わらない「平和の尊さ」を訴えていた。2人のおばあちゃんの笑顔の中に、戦争の悲しい記憶が残っていることも再認識させられた。
●「戦争悪」「反戦平和」を繰り返し訴えるだけではなく、戦争体験世代とそうでない世代との協働、これからの平和教育のあり方を示唆する「未来志向型」の番組であった。
出席委員
幸喜徳子・宮城邦治・富名腰徹・伊東和美・森田美奈子
欠席委員
三島わかな・成底勇人(ともにリポート提出)