第535回番組審議会
2021年7月9日(金)
琉球放送の第535回番組審議会は7月9日金曜日に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大予防のために会議は行わず、各委員からのレポートによって審議を実施した。
審議番組はラジオ番組「慰霊の日 平和朗読会と語り継ぐいくさ世」で、意見の概要は以下の通り。
●戦争証言の朗読は涙なしに聞くことはできず、戦争のむごたらしさ、残酷さを存分に伝えていた。5人の県民による「いくさ世」証言からは、平和のすばらしさを語り継ぐ重要性が感じられた。
●対面での朗読会を編集して放送したことで、各パートが並列的でメリハリに欠けてしまった。手記を書いた人の紹介や、朗読者が誰かといった基本的情報にも不足していた。
●BGMのない中での朗読は当時を思い描かせる力があった。朗読の順番もよく考えられている。戦争体験者が減少する中、後世に残すためにエピソードの映像化にも期待したい。
●体験者・当事者でなければ伝えられない生々しい内容で、あらためて反戦・平和の気持ちを強くした。前半部分が長く感じられたのが惜しい。沖縄が反戦平和に果たす役割は重要で、今後も続けてほしい番組である。
●戦争があったという事実を真摯に伝える内容で、目の前で惨事が繰り広げられているような臨場感と魂の叫びが感じられた。手記・リスナーからの投稿の2本立てにして番組にうまく変化をつけていた。
●声高に戦争反対を訴えるものではないが、壮絶な体験、身近な人を亡くした無念さが伝わり、命の尊さが実感できた。今後も沖縄戦の多様な実相を掘り起こしてほしい。
●慰霊の日にふさわしい内容で、戦争体験者が生存している今だからこそできる貴重な企画。仲田喜久子アナ、狩俣倫太郎アナの臨場感あふれる朗読は胸を打つとともに、多くの人々に訴えかけるパワーが感じられた。
参加委員
幸喜徳子・宮城邦治・三島わかな・成底勇人・富名腰徹・伊東和美・森田美奈子