第514回番組審議会
2019年6月14日(金)午後4時より
琉球放送の第514回番組審議会が、6月14日金曜日午後4時より琉球放送11階会議室で開催され、7月開催の『番組審議会委員長会議』で報告される「TBSのネット番組」について、委員から意見が集約された。
意見の概要は以下の通り。
●「サンデーモーニング」は一週間を振り返ることができ、安定感があってバランスが取れている。「がっちりマンデー!」から続けて視聴するのが習慣になっている。「マツコの知らない世界」はマツコさんのキャラクターがいい。「メイドインジャパン!」「モニタリング」「炎の体育会TV」「世界ふしぎ発見!」などは家族で楽しみながら視聴できる。ドラマ「集団左遷」は月曜からの一週間も頑張ろうと思わせる前向きな内容。「世界ふしぎ発見!」「世界遺産」は海外の珍しい映像が見られる貴重な番組。TBSの番組は安心感・安定感があって家族で見られるものが多い。知識や倫理観を高め、優しい気持ちになれる番組に期待したい。
●「あさチャン!」は夏目三久さんの前向きな雰囲気や、時たま見せる天然ボケも好印象。長嶋一茂さんが一方的に司会者をやり込める様子はあまり好感が持てない。松木安太郎さん、沢松奈生子さん、尾木直樹さんは、そつがなく意見も参考になるが、それ以外のゲストは可もなく不可もなくの印象。構成は他局と比べても遜色がない。気象予報士の河津さんは声のトーンのせいか、聞いていても楽しい気持ちになれない。朝一番の番組なので心温まる話題を取り上げるコーナーも欲しい。
●「あさチャン!」は夏目さんの堅実でメリハリのある司会に好感が持てる。「ひるおび!」の恵俊彰さんの丁寧な解説は主婦層にとっても分かりやすいだろう。「NEWS23」はキャスター小川彩佳さん、アンカーの星浩さんのコメントが的確だ、「報道特集」は切り口が弱くなっているのが残念だ。「サンデーモーニング」はコメンテーター陣の辛口の評論が小気味いい。「風をよむ」は結論を明示するのではなく視聴者に感じ取らせようとする姿勢がいい。「7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート」はお色気もありながら面白いバラエティー。「世界ふしぎ発見!」「世界遺産」などと併せて世界へと視野を広げてくれる。「集団左遷」は組織の陰湿さを描くドラマで、福山雅治さんの演技にも興味を引かれる。
●「あさチャン!」は高齢者の運転講習やダイエットなど、時宜を得た話題性のあるテーマが多くて見逃せない。「メイドインジャパン!」では、日本の製品のすごさを実感するとともに、海外の家族が繰り広げる人間模様も見せ場だ。「ひるおび!」では、北海道の二歳児衰弱死についての詳細な報道など、事件の経緯が一目で分かる工夫がなされていた。「がっちりマンデー!」は企業のアイデアに感心するとともに、話題を見つけてくる制作陣にも敬服する。「サンデーモーニング」はコメンテーターが専門的でありながら分かりやすい。火曜の「この差って何ですか?」は、普段は見過ごされがちな疑問を見つけて解決してくれる教養番組だ。「マツコの知らない世界」はさまざまなジャンルから豊富な話題が提供され、マツコさんの個性的で小気味いい対応が受けている。「わたし、定時で帰ります」は日本企業のあり方をも考えさせられるドラマだ。「モニタリング!」はドッキリで人間の本心が明らかになるところが楽しめる。木曜の「櫻井・有吉THE夜会」では尾上松也・右近兄弟が登場していたが、伝統を受け継ぐ修練の様子も取り上げてほしかった。「NEWS23」はもう少し開始時間を早くしてほしい。「集団左遷」は主人公の情のあるキャラクターに好感が持てる。これからも、沖縄の状況を全国に放送する機会をもっと設けてほしい。
●「あさチャン!」は各世代が感心を持てるコーナーづくりで、報道もしっかりしていて朝の情報収集に役立つ。「メイドインジャパン!」は「外」の目線によって日本を再発見するという番組コンセプトが魅力。「この差って何ですか?」は、何げない疑問にも大きな意味があって、多くの世代が楽しめる。「がっちりマンデー!」は着眼点や取材力が素晴らしく、日本企業の「現在」に迫るという点でも貴重で、肩肘張らない雰囲気も日曜の朝にふさわしい。報道については、第一段階では客観性を徹底し、第二段階で詳細に掘り下げるあり方が望ましい。他系列に比べてTBSではバラエティー番組の割合が多く、話題性に富んだドラマが続出している印象。今後は映像の力をもって、文化の継承、現代人の「居場所」などを描くドキュメンタリーを作ってほしい。
●「がっちりマンデー!」で取り上げられる創意工夫やアイデアには刺激を受ける。「サンデーモーニング」は岸井さんがいなくなって物足りないが、マンネリ化しないように工夫しながら続けてほしい。「Nスタ」のホラン千秋さんの明るさ、「がっちりマンデー!」の加藤浩次さん、「ぴったんこカン・カン」の安住アナの機知に富むユーモアのセンスは素晴らしい。出勤前、お昼どき、夕方の報道・情報番組は視聴者数も多く、特に力を入れる必要があるだろう。最近では、大衆迎合主義的・短絡的な報道姿勢に問題を感じる。ネット社会における報道機関のあり方、ジャーナリズムの衰退への懸念もある。また、沖縄の基地負担の取り上げ方がきわめて不十分だと感じる。「世界ふしぎ発見!」などのすぐれた長寿番組がある一方、大御所クラスのタレントを使い陳腐化してきている番組も少なくない。今後は、他局のいい番組を参考に、心が豊かになるような番組、そして、沖縄のさまざまな面について理解が深まる番組を望む。
出席委員
幸喜徳子・宮城邦治・三島わかな・松原知之・成底勇人
欠席委員
三島わかな(リポート提出)・富名腰徹(同)